永劫回帰
■ストーリー
主人公「葛城哲雄(かつらぎてつお)は血縁のない姉である悠里(ゆうり)と、その妹で寝たきりの美少女、雛乃(ひなの)の姉妹二人と3人暮らしという家庭環境で暮らしている少年。唯一の血縁だった母はずっと昔に死んでおり、以来三人で生きてきた。
悠里は語学力に秀でており、その能力を生かして自宅で翻訳の仕事をして生計を立てる一家の大黒柱。
雛乃は哲雄が物心をついたときから寝たきりで意識がない。なんの病気かは医者にも分からないが、植物人間とは違うらしく、彼女は美しい人形のようにずっとベッドに横たわっている。
哲雄と悠里の二人は彼女の世話をしながらそれなりに普通の日常を送っている。
哲雄には二人の幼馴染がいる。一人は右隣の花屋の娘、いづみ。
友達以上恋人未満の関係をずっと続けている元気少女で、哲雄の部屋とは窓を伝って行き来できる部屋に住んでいる。
もう一人は左隣に住んでいる本屋の息子で、小太りだが気のいいオタク青年、征司(ただし)。
3人はいつも仲良く過ごしていた。
彼らの暮らす街に猟奇な出来事が起こる所から物語は始まる。
それはバラバラ連続殺人事件。巨大な刃物で人が何人も殺される事件だった。
それらの事件は偶然のように哲雄が直前までいた場所で起こっており、気味悪がりつつも自分とは無関係だと信じている哲雄。
ただ、悠里だけは微妙に不安がり、哲雄の身を案じるのだった。
■キャラクター
葛城 哲雄(かつらぎ てつお)
本編の主人公。
町内の私立高校に通う至って普通の学生。
特に特技もないが、忙しい姉と寝たきりの妹を助けて暮らしてきたので
家事全般万能。
人柄はどちらかといえばおだやかで、物腰もむしろ気弱な感じ。
いったん怒ると手がつけられない面もあるが、よほどのことがないと怒らない。
本好きで、隣の征司からいつも新刊を買っている。
ケンカなどもしたことがなく、いづみにはいつもからかわれている。
結構夢見がちで、部屋でいろいろと空想している事が多い。
デジャブを自分がよく体験することも、そういう性格のせいだと思っている。
姉悠里とは、血のつながらない姉弟であることは知っているが、
その部分は考えないようにしている。
妹雛乃に関しては服の着替えなどもしているし下の世話もする。
今更恥ずかしいとかはない。
身近な存在なのでよく寝たきりの彼女に日々の出来事を報告している。
葛城悠里
哲雄を育ててくれた姉で、一家の大黒柱。
大学を出た後に翻訳家をしており、いつも締め切りに追われている、
ちょっとボケボケの天然美女。
いつもピントのずれた事を言う弱点はあるが、性格良しの器量よし。
家事全般が駄目な上に機械オンチで、主人公がいないと日常生活が送れない。
稲田いづみ
哲雄の家の隣に住む友達以上恋人未満の幼なじみの少女で、
哲雄の家のことなら全部知っている。
元気な少女で、どちらかというと引っ込み思案な哲雄を巻き込む感じの行動を取る。
何でもこなし、周囲は「どうして哲雄なんかに構うのか分からない」
と言うくらいの人気者。
しかし、彼女は哲雄の家庭環境から全てを知っているので、彼の心優しい部分や芯の強さをよく理解し、気弱な部分を歯がゆく思いながらも心から愛しているが、告白などせずずっと微妙な関係を続けている。